ニキビの炎症がひどい時、皮膚科やクリニックでは抗菌薬・抗生物質を処方することがあります。ニキビ治療の抗菌薬・抗生物質には原因となるアクネ菌の増殖を抑制する作用があり、ニキビの炎症をしずめて改善していく効果が期待できます。
ただし抗菌薬・抗生物質には使用を続けていると薬剤に対して抵抗性をもつ耐性菌を生じさせてしまう問題点がある為、長期的な使用は避けられています。
また、抗菌薬・抗生物質は強い炎症を伴ったニキビや化膿したニキビの治療に効果的ですが、副作用のリスクもあるので軽い症状の白ニキビや黒ニキビには使用できません。
ニキビ治療に使われる抗菌薬・抗生物質は主に以下のようなものがあります。
テトラサイクリン系抗生物質 -ミノマイシン・ビブラマイシン-
細菌のたんぱく質の合成を阻害する働きを持ち、細菌の繁殖を抑制し、症状を改善していく作用がある。
セフェム系抗生物質 -フロモックス・セフゾン・バナン-
ニキビの原因となるアクネ菌を抑制してニキビの炎症を抑える作用がある。
マクロライド系抗生物質 -ルリッド・クラリシッド・クラリス-
細菌のたんぱく質の合成を阻害する働きを持ち、細菌の繁殖を抑制し、炎症や化膿を防ぐ作用がある。
ペネム系抗生物質 -ファロム-
細菌の壁の合成を抑制することで、殺菌的に作用する。ニキビや吹き出物の炎症をしずめる効果がある。
ニューキノロン系抗菌薬 -クラビット・オゼックス・スパラ・シプロキサン-
細菌が増殖する際にDNAの複製を阻害することで細菌を死滅させる働きを持っているため、アクネ菌を抑制してニキビをしずめる効果がある。
これらの抗菌薬・抗生物質には服用期間中、抗菌力によって腸内細菌バランスが崩されるため副作用で下痢、腹痛を引き起こすことがあります。
この他にも抗菌薬・抗生物質には様々な種類があり、効果や副作用もそれぞれ異なりますので、使用する際は皮膚科医の判断のもと正しくおこないましょう。
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